サンメディカルクリニック

MEDICINE
お薬について

抗不安剤とは

Anti-anxiety drugs
不安を和らげる作用があります。
副作用としては ねむけ、ふらつきがありますが、逆に眠気を催す⇒特に眠気の強いものは睡眠導入剤としても使用可能です。筋肉の弛緩作用⇒肩こりや頭痛など、筋肉が過剰に緊張したために起きている症状は多少軽減します。
抗不安薬としては次のようなものがあります。どれを選択するかは、どのような症状を改善したいのか、どの程度までの副作用なら我慢できるか、薬の作用している時間、といった個々のケースに求められる状況により微妙に変わります。
ソラナックス、デパス、リーゼ、セルシン、レキソタン、ワイパックス、セディール等

睡眠導入剤としては、
●超短時間型(2時間):マイスリー
●短時間作用性(3-4時間程度のもの):アモバン、ハルシオン、ルネスタ、レンドルミン、
●中時間作用性(6-8時間):サイレース、ベンザリン
●長時間作用性(8時間以上):ユーロジン、ソメリン、ダルメートなどです。

一般に短時間作用性のものは、服用後比較的速やかに入眠できる、一方長時間作用性のものは熟睡できる、といった特徴があります。したがって早く寝てかつじっくり寝たい、という場合には両方の薬を併用することになります。

ベンゾジアゼピンではありませんが、メラトニンという睡眠をつかさどるホルモンを調節することで睡眠の効果を得やすくするロゼレム、あるいは覚醒と睡眠に関与するオレキシン(脳内伝達物質)に作用するベルソムラという薬も発売されました。朝に眠気がのこる場合があります。

抗鬱剤とは

Antidepressants
抑うつ状態を改善し,気分を盛り上げる作用のある薬です。またパニック障害や強迫性障害、慢性疼痛、夜尿症でも治療効果のあがる場合が多くみられます。 三環系抗鬱剤、四環系抗鬱剤、SSRIなどに分かれますが、いずれも脳内神経伝達物質の濃度を上げることで鬱状態を改善すると考えられています。どの抗鬱剤も安定した効果が出現するまでに5日から数週間かかるので、耐え切れない副作用が出ない限りは、辛抱強く飲みつづけていただく必要があります。
●三環系抗鬱剤
確実な抗鬱効果を示す従来からある抗鬱剤。便秘、口の渇き、立ちくらみ、眠気といった副作用が出やすいのですが、その分効果も高いです。薬効がでるまでの時間が1週間から10日と短いです。代表的な商品として、トリプタノール、トフラニール、アモキケン、アナフラニールなどがあります。

●四環系抗鬱剤
三環系抗鬱剤にくらべ副作用はマイルドですが、その分、効果も穏やかです。注意点は上記三環系に準じます。 代表的な商品は、ルジオミール、テトラミド、プロチアデン、デジレルです。なおテトラミドは眠気が強いので睡眠薬の代わりとしても使用する場合があります。

●SSRI
平成11年5月から日本でも発売が開始された薬です。10人に1人の割合で眠気、また3人に1人の割合で服薬開始直後から2週間の間,吐き気が出現します。それ以外の副作用は比較的少ない印象があります。薬の効き目もとても穏やかで、安定した作用が出現するまでに約1ヶ月かかります。老人や体力的に弱い人などへの使用が向いています。またパニック障害、社会不安障害(SAD)の治療薬としても適応があります。パキシルはPTSDの適応をとりました。現在わが国で発売されているのはデプロメール(=ルボックス)、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロです。

●SNRI
SSRIよりも比較的効果が早くあらわれます(約10日)が、その分副作用的にはSSRIよりも眠気、便秘、口渇がでやすいようです。それでも三環系抗鬱剤よりは副作用の頻度が低く、軽症の抑鬱状態によく処方します。トレドミン、サインバルタ、イフェクサーがあります。

●NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤):
リフレックス(=レメロン)です。抗うつ効果と抗不安効果が、比較的強く、効果発現までの時間が1週間ぐらいと早いことが特徴です。既存の抗うつ剤で問題となっている副作用(口渇、排尿困難、便秘、血圧低下(立ちくらみ)、心毒性、嘔吐や性機能障害)の発現頻度は低く、アクチベーションシンドロームの懸念も軽減されています。服用開始後の2・3日間、ひとによって日中眠気を強く感じることがありますが、就寝時の睡眠は良質です。不眠、不安・焦燥感(イライラ感)を伴って、食欲低下(食事を楽しめない)がみられる患者さんには、特に効果が感じられやすいです。

気分調整剤とは

Mood regulator
気分の波を抑えるのに有効な薬です。また躁状態の改善にも役立つ薬です。
リチウム:昔ながらの薬で有効性も高いのですが、過剰投与で容易に中毒状態(けいれんや意識障害)をきたしやすいので、定期的に血中濃度を測りながら投与量を決めていく必要があります。
抗けいれん剤:本来はてんかんのくすりなのですが、気分の安定に役立つために躁うつ病で広く使われています。ラミクタール、テグレトール、デパケン、リボトリールなどがあります。なおテグレトールとラミクタールは薬疹が出やすいため出現したら直ちに教えてください。

抗精神病薬とは

Antipsychotic drugs
妄想、幻聴といった精神病状態のほか、うつ状態、不安の強い状態などでも使用する頻度が高い薬です。
・幻覚や妄想をとる/軽くする
・不安感や興奮状態をおさめる
・意欲を高める
といった効果があります。
副作用としては、
・眠気
・便秘、口の渇き、立ちくらみ、脈が速くなる、尿が出にくくなるといった自律神経症状
・手が震えたり小刻みで歩くようになる
といったパーキンソン症状、アカシジアなどがあります。
下剤や昇圧剤,抗パーキンソン剤といった薬を併用することで、副作用のかなりの部分が回避できます。また女性の場合、生理がとまったり乳汁がでたりすることもありますが、気になる人は別の薬剤に変更すればよいと思います。原因薬剤中止後1ヶ月で、生理は通常の状態に戻ります。
主な商品としては、セレネース、コントミン(=ウインタミン)、レボトミン、インプロメン、ドグマチール、リスパダール、セロクエル、エビリファイ、ジプレキサ、シクレストなどがあります。